子育て④:子供を甘やかすと自立できなくなる…は大間違い!甘えこそ大人になるための大切なプロセス。

仁の子育て論

よく子供を甘やかして育てると、いつまでたっても自立できなくなる、なかなか親離れできなくなる、独り立ちできなくなる、または抱っこばかりしてると抱き癖がつくから良くないなど、昔からよく言われますよね。

だから子供がワガママや甘えたことを言ったらビシッと厳しくしつけなければならない、そういった教育方針の方もおられると思います。

確かに子供に対し厳しい一面を示さなければならない時も、もちろんあると思います。
でも甘えた子供が自立出来なくなるということは、実は無いんです。

逆に、甘えるべき時にしっかり甘えさせてもらえた子供ほど、きちんと精神的に自立していくのです。

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甘えさせる=子供を受け入れてあげること

子供を厳しくしつけた方がしっかりした大人に成長してくれる、一般的にはそう考えられています。

これについて、特に否定するつもりはありません。
子供のことを認め、しっかり受け止めてあげた上で厳しくしつけるのであれば、問題無いと思います。

ただ僕が言いたいのは、厳しくしつけるかどうかということではなく、子供というのは親や身近な大人からの愛情が不足すればするほど精神的自立が遅れていくのです

もし仮に表面上ではしっかりした子供に見えても、子供の頃の愛情が不足していると、大人になってからの対人関係も上手くいかなくなることが多いのです。

 

甘え方というのは、子供の年齢によって違います。赤ちゃんや小さな子供であれば、抱っこやおんぶ、膝の上に座ったりなどですが、中学生や高校生になれば年相応の甘え方に変わってくると思います。

また、子供によっても精神的な成長に個人差もあります。何歳だから、こういった甘え方をしなければならないといったこともないし、何歳だからこれぐらいは出来ないといけない、ということもありません。周りのペースや常識に合わせる必要は全くありませんし、基本的に気にする必要もありません。

でも子育てをしてると、やっぱり同年代の子供と自分の子供の成長を比べてしまったり、または周りから不安をあおられるようなお節介アドバイスを受けることもあります。

「自分のしつけが悪いんじゃないか?子供に甘すぎるんじゃないか?」
なんて不安になるお父さんお母さんもいると思います。

でもね、言っておきますが、甘えさせすぎたからといって悪い子供・悪い大人になることはまずありません問題行動を起こしたり、道からそれてしまうのは、子供の時にしっかり甘えることの出来なかった・甘えるべき時に甘えられなかった、そんな愛情不足の子供なんです。

子供というのは、親や身近な大人に甘えることによって、「自分は受け入れられてるんだ」と実感します。自分の気持ちを受け止めてもらえた、自分の存在を認めてもらえた、自分はここにいてもいいんだ、そう感じます。

これがもし自分の要求を、まるで話も聞いてもらえず頭ごなしに否定されたり、全く無視される、全然相手にされない、そんなことが続くと子供は
「自分には話を聞いてもらえるほどの価値が無いんだ、甘えさせてもらえるような価値が無いんだ、みんなにとって自分はどうでもいい存在なんだ…」
そう思うようになります。

すると今度は、親を困らせるようなことをして親の注目を集めようとしたり、または最悪それすらも諦めてしまうと、むしろ全く手のかからない子供になってしまいます。

そして子供の時に愛情が満たされなかった子は、大人になってからも形を変え、愛情を求め続けることとなります。例えばワガママや無理難題を言って周りから注目を集めて満たされようとしたり、周りに自分を認めさせることばかりに一生懸命になったり、またはモノによって心を満たそうとしたりと、様々な形で寂しい心の隙間を埋めることばかりを繰り返します。

体は大きくなっても心は子供の頃のままで、その結果対人関係に問題を抱えることとなってしまうのです。

でもだからといって、もちろん甘えさせればそれでいいということではありませんよ。甘えさせるのはいいですが、甘やかすこととは違います。

 

例えば

子供が靴ひもを結べなくて苦戦している。
どうしても結べないので「手伝ってくれ」と頼んでくる。
そこで、結び方を教えながら子供と一緒に靴ひもを結んであげる。

これは子供が自主的にやろうとしたけど出来ずに子供が助けを求めてきたので、親が一緒に手伝ってあげたということで、子供に甘えさせたわけです。

 

これが

子供が自分で靴ひもを結ぼうとして、苦戦している。
それを目にした親が、子供に頼まれてもいないのに勝手に結んであげる。

これは甘やかしであり、子供が向き合うべき課題を親が勝手に取り上げてしまっている、つまり子供の成長の機会を親の都合や思いで潰してしまってるのです。

 

甘えさせることと甘やかすことは、全く違います。甘やかしとは親による子供への過干渉であり、単なるお節介どころか害にしかならないのです。そこをきちんと見極める必要があります。

まぁ実際はその時によって状況は違いますし、子供の成長度合いによっても対応の仕方は変わってくるので、判断がなかなか難しい時もあると思います。だから100%の正解はありません。基本的には子供の自主性に任せ、実際にやらせてみて、もし出来なくて助けを求めてきたら子供と一緒にやってあげる、という考え方でいいのではないかと思います。

 

子供はしっかり甘えることが出来ると、安心して自立へと向かっていきます。
逆に甘えるべき時に甘えさせてもらえないと、いつまでも不安を抱えたままで前に踏み出すことが出来ません。

信頼すべき親や身近な大人に甘えることが出来ないと、誰も信じることが出来ず、大人になってからも周囲の人間を信じることがなかなか出来なくなります。

甘えることは、子供の成長過程においてとても大切なプロセスのひとつです。
特に幼い頃は、しっかり甘えさせてあげましょう。

 

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