子育て㉚:子供の未来を台無しにするNGワード!子供を伸ばす叱り方のコツ。

仁の子育て論

子育てをしていると、子供を叱ったり注意したりしなければならない場面というのが、どうしても出てくると思います。

叱るという行為は、とても難しいものです。叱ることにより、その子にとってプラスになることもあれば、逆にマイナスになってしまうことも残念ながらあります。
また、叱られて子供が素直に聞くこともあれば、反対に叱れば叱るほど反発して収拾がつかなくなる、なんてこともありますよね。

親としては子供のためを思って叱ってる、でもそれが子供に上手く伝わらない、分かってもらえない。一体どこがいけないのか?

今回は、子供を叱る上で注意すべき点について、話していこうと思います。

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子供に言ってはならない言葉

実は以前、うちの子供(その当時、小学三年生)とその友達が、近所の知り合いのお母さんに叱られるという出来事がありました。僕も偶然その叱られる場を目にしたのですが、そのお母さんがとにかく興奮して、ものすごい勢いで怒られていました。

怒られていた原因というのは、うちの子たちが持っていたフワフワの柔らかいゴムボールを、思わず手を滑らせてマンションの上から落としてしまったようで、偶然近くにいた知り合いのお母さんがそれを目にしたようです。

そのお母さんは「ボールを偶然落としてしまうなんて事があるわけない、遊んでてわざと落としたんでしょ!!」の一点張りで、子供たちの説明など一切聞かず、とにかく激怒していました。ちょっと収拾がつかなくなってきたんで、僕がやんわりと仲裁に入りました。

幸い誰もいないところにゴムボールは落ちたので、被害は何も起こりませんでした。怒り方はかなり激しかったんですが、でもそのお母さんが怒るのも、確かに分かります。

いくらフワフワの柔らかいゴムボールでも、上から落ちてきたら誰だってびっくりしますよね。当たってもまず怪我することはないにしても、もし赤ちゃんなんかに直撃したことを考えると、ここはきちんと注意しておかなければなりません。だからそのお母さんに対し、僕は一切反論はしませんでした。

でも一点だけ、そのお母さんの言ったセリフで引っ掛かる言葉がありました。
その言葉とは、
「もう三年生にもなるのに、そんなことも分からないの!?」
というセリフです。

うちの子は、当時小学三年生です。三年生と言えば、いろんなことが分かり始める歳です。ものごとの良し悪しの判断も付き始める年齢です。そんな子供たちにこのお母さんは、「それが当然理解出来るべき年齢のはずなのに、あなたたちはまだそんなことも分からないの!?」と言ってるわけです。
実はこれ、子供に最も言ってはならない言葉のひとつです。

子供の自尊心を傷つけてはならない

子供は大人に比べると、当然ですが知識も経験も少ないです。だから僕ら大人はつい、子供を未熟な半人前の人間として見てしまいます。

でも子供も僕ら大人と同じように、ひとりの独立した人間です。その子独自の人格や心を持っています。子供も大人も、同じひとりの人間なんです。

そしてこれを忘れないでください。
子供も僕ら大人と同じように、自尊心を持っています。
子供だから自尊心なんてものはまだ無い、なんてことは無いのです。子供にもちゃんと自尊心というものがあるんです。

子供を叱る上で注意してもらいたいのは、「とにかく子供の自尊心を傷つけるような叱り方をしない」ということ。さきほど出てきた知り合いのお母さんの言葉、「もう三年生にもなるのに、そんなことも分からないの!?」というセリフは、子供の自尊心を傷付け、その子の人格そのものを否定する言葉です。
「あなたは周りの人と比べて劣っている、あなたはダメな人間なのよ」と言っているのと同じこと。そして自尊心を傷つけられた子供というのは、成長するのを止められたようなものなんです。

どういうことかと言うと、自分の存在を否定され自尊心を傷つけられると子供は、「どうせ自分はダメな人間なんだ」と考えるようになっていきます。自信を失い、自分の中での自己評価をどんどん下げていきます。

その結果、何か問題にぶつかっても「どうせ頑張ったって、自分はダメな人間なんだから」と、すぐ諦めてしまう子になってしまうんです。チャレンジをしない、問題を前向きに解決しようともしない、そんな無気力な人間になってしまうんです。自分の可能性を自分の手で閉ざしてしまう、そんな人間になっていってしまうんです。

これまでも話してきましたが、その人間の人生を決めるのは “自己評価” です。困難にぶつかっても自分を信じて頑張っていける人間は、必ず伸びていきます。
逆に自分を信じることの出来ない自己評価の低い人間は、何をするにしても「自分にはどうせ出来ないはずだ」という前提でものごとに取り組みます。そして出来ないと思い込んでいるから、脳も自分が失敗してしまうように身体に命令を出し始めます。

その結果、高い確率で失敗します。すると「やっぱり上手くいかない、頑張ったって自分にはやっぱり無理なんだ」と、さらに自己評価を下げていく。
悪循環の繰り返しです。

これは大人でも同じではないでしょうか。しかし子供というのは、大人と違って知識や経験が少ない分、素直に思い込んでしまいます。だから大人の何倍も、良い方向にも悪い方向にも簡単に転がっていくのです。

だから子供を叱る時は、子供を否定したり自尊心を傷つけるような叱り方をするのではなく、どうか前向きな叱り方をしてあげてください。
例えば子供が他人を傷つけるようなことをしてしまった場合、
「どうしたんだ?お前はこんな優しい部分を持っているのに、今回はなぜそんなことをしたんだ?何か理由があるんじゃないのか?話してみろよ。」みたいな感じでまずは子供のことを否定せず、子供の思いや考えを引き出すように、子供を諭すように叱ってみて下さい。親が辛抱強くこれを繰り返して行けば、子供は次第に心を開き、こちらの話も素直に受け入れてくれるようになり始めてきます。

いきなり頭ごなしに叱るのではなく、子供の自己評価を下げないよう、子供を理解する姿勢を見せるように子供と対話してみて下さい。
きっと子供は変わります。そして叱られたことを前向きに受け止め、真っ直ぐ伸びていってくれるようになるはずです。

 

子供のことを思えば、時には叱らなければならないことも出てきます。
でも叱り方ひとつで、子供は変わります。
叱り方ひとつで、子供は良い方にも悪い方にも転がるものです。
子供と言えど、大人と同じひとりの独立した人間。
大人と同じように、一人前の人格を持っています。
自尊心を持っています。
だから、子供の自尊心を傷つけないよう、子供の自己評価を下げてしまわないよう、子供が上に向かって伸びていけるよう、あなたが導いてあげていってください。
子供にとっての一番の味方は、お父さん、お母さん、または親代わりをしているあなたなのですから。

 

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