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【対人関係のコンパス】

37:完璧な教育(子育て)を目指すあなたへ。親が子にしてあげられる一番の教育とは。

仁の子育て論

実は僕、細かい人間です。
他の人間がスル―するようなことでも、気になってしまうことがよくあります。今ではそれほどではありませんが、今考えると以前の僕は本当に神経質な人間でした。

だから子育てに関しても、やっぱり細かい。
特に子供が幼い頃は、子供と一緒にいる時は子供から片時も離れず、絶対に子供を僕の視界から外さない。子供の行動の一つひとつまで把握し、何か問題が起こればすぐに対応する。

だから周りからは、”子煩悩な父親だ”と言われていました。僕も子供のことを懸命に考え、当時は「子供にとってこれが最善だ」と思えることをやっていたつもりでした。

しかしそんな僕の自信を、見事突き崩す事件が起こりました。
以前の僕は、子供のことを考えているようで、実は子供のことを本気で考えてあげていませんでした。

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母親の言葉

子育てに関する当時の僕の自信を突き崩したのは、僕の母親です。つまり僕の子供から見れば、おばあちゃんです。

僕はある日、子供を連れて実家に帰りました。
当時うちの子供はまだ幼く、ちょうどイタズラ盛りの年齢。

あっちこっちで悪さばかりをする。
ご飯やお菓子を食べても、遠慮なくボロボロこぼす。
行儀もホントに悪い。
こちらの言うことも全く聞かず、まさにやりたい放題。

だから僕は、子供が何かをやらかすたびに注意をしていました。

するとその様子を見ていた母親から、僕が注意を受けました。
悪さをしていた子供ではなく、僕が、です。

「いいから、子供の好きなようにやらせてみなさい。もしそれを注意しなかったからといって、この子の人生において一体どれだけの悪影響があると思う?それを注意せずに放っておくより、そんな小さなことぐらいで目くじら立ててギャーギャー注意することの方が、よっぽどこの子の人格や人生に悪影響を及ぼすことになると思わない?大丈夫だから、子供の思うようにやらせてみなさい。」

頭をガツンと叩かれたかのようでした。
僕は誰よりも子供のことを考えているようで、実は子供のことを本気で考えていなかった。僕は単に自分が完璧な親であろうとしていただけ、僕の子育ては単なる自己満足でしかなかったのです。

子供の人生にとって必要なこと

子育てに真剣に取り組むこと、子供の教育に一生懸命になることは、とても良いことです。
でも本気になるあまり、肩に力が入りすぎてはいませんか?
子育てに関し何でも完璧にこなそうとするあまり、視野が狭くなっていませんか?

子供は基本的に、親の思うようにはなりません。
親の思うように、動いてくれなどしません。

子供は、親とは別人格。
独立したひとりの人間。
だから自分の意思を持ち、自分の人生を歩んでいきます。
他人を思うように操れないのと同じように、どんな親であっても自分の子供の行動を思うように操ることは出来ません。

でも親なら当然、子供の行動が気になります。出来るだけ失敗をさせたくない、辛い思いや痛い思いをさせたくない、躓(つまづ)くことなく人生を歩んでもらいたい。
そう思うと、どうしても子供のちょっとした言動さえも気になり始めるものです。

例えば、テストの点がちょっと悪かった、時間が守れなかった、決まり事が守れなかった、忘れ物をした、ちゃんとお礼が言えなかった、ちゃんと謝れなかった、他の子たちが出来ていることがウチの子だけ出来なかった…

そういった、子供のちょっとした小さな失敗さえも許せなくなる、一つひとつのことを完璧にさせなければいけない、そうなってしまうと目の前のことばかりにとらわれはじめます。

すると、視野はどんどん狭まっていきます。目の前の小さな問題にばかり気を取られ、子供の人生にとって何が大切なのかが見えなくなってしまうのです。

もちろん注意すべきことは、その都度きちんと注意しなければなりません。でも親自身が気になるからといって、子供に向かって注意ばかりして子供をがんじがらめにしてはいけません。

何かをするたびに “注意=ダメ出し” をされると、子供は自分の行動に自信が持てなくなっていき、やがて自分からは行動を起こさないようになっていく、つまり自主性を失っていきます。

その上、親からいつも命令されたり、何をするにも常に親が決めてしまうようなことがあると、子供はだんだん自分の頭で考えることをしなくなります。

そうなると最後は、周りの環境から受ける刺激や影響に条件反射をするだけの人間になる。

つまり大人になって社会に出ても、いつも周りから何かをやらされる・やるべきことを与えてもらうばかりで、自分の意思で決め自分の判断で行動することができない人間になってしまう。自分だけでは何もできない、他者依存型の指示待ち人間に成長してしまう恐れがあるのです。

僕ら大人の目から見れば、子供は未熟なとこだらけかもしれません。
僕ら大人は子供に比べて多くの経験を積んできているから、子供がやろうとしていることの結果や答えが先に分かってしまいます。失敗すると分かっていることを、あえて子供にさせたいと思う親はいません。

でも残念ながら人間は、失敗をしなければ賢くなれません。
先に答えを教えてあげるのは、誰にでもできること。でも、実際に経験させて感覚的に理解させなければ、その知識は決して身に付くことはありません。

もちろんいくら経験することが大事だといっても、「その失敗によって大ケガをしてしまうかもしれない」「周りに大変な迷惑をかけてしまう」、そんな取り返しのつかないようなことになる可能性がある時は、ちゃんと注意してくださいね。

でも親がフォローできる程度であるのなら、多少のことは目をつむってあげてください。何も言わず、やらせてみてください。
その結果子供が困るような事態に陥り、親の助けが必要になれば、その時は必要な分だけ助けてあげてください。

親として、人生の先輩として、子供を注意しなければならない時というのは、必ずあります。でも子育て・教育の目的は、子供の自主性を育むこと。子供が自分の頭で考え判断し、自分の意思で行動を起こせる人間に育ててあげることこそが子育ての目的。

もし普段から子供のことを頻繁に注意してしまう、ちょっとしたことでもつい口出ししてしまうのなら、子供を注意する前に一呼吸入れてください。

もしそこで注意しなくても、今後の子供の人生に大した影響が無いのなら、あえて注意せずにスルーしてみてください。そこで注意して子供を責めたてる方が、スルーするよりよほど子供の人格・人生に悪い影響をあたえるかもしれませんよ?

完璧な親を演じようとする必要はありません。
子供に対し「どんな教育をするのか?」も当然大切ですが、それ以上に「どんな心で子供と接するか?」ということが何より大切だと僕は思っています。

どんな良い教育を施しても、親がいつもピリピリ・イライラしていれば、それは必ず子供に伝わります。親の心が乱れていれば、子供の心も不安でいっぱいになります。

 

時には子育てをサボったっていいんです。
手を抜いたっていいんです。
子供が失敗をしてしまっても、叱らず「ちょっと、何やってんの?アハハハ!」って笑ったっていいんです。

親が心から笑うと、子供は嬉しいものです。穏やかな気持ちで子供と接する、それが間違いなく一番の教育。それだけで、子供はまっすぐ伸びていきます。

あまり神経質になる必要はありません。
注意すべき時は、きちんと注意する。
でも注意しなくても子供の人生に大した影響がないのなら、あえてスル―してみる。
親からの笑顔が、子供の人生に対する一番の贈り物です。

 

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